ねんねトレーニング(ネントレ)とは?

赤ちゃんの眠りに悩んでネット検索をすると目にする「ねんねトレーニング」。

「ねんねの為のトレーニングってなに?」「どんなやり方なの?」という方向けの記事です。

 

ねんねトレーニングとは

ねんねトレーニングとは、赤ちゃんがよりよく眠ってくれるようになるために日常生活のなかで行う練習のことです。

「ネントレ」と略されたり、「セルフねんねができるようになる」等、
『赤ちゃんが一人で眠れるようになるメソッド』として理解されています。

 

一言でねんねトレーニングといっても、提唱している人や書籍または団体によって考え方や方法、最終的な目標が異なることが多く、また名称も様々です。

 

ねんねトレーニングは1種類ではない

一般的なイメージとして、寝室に寝かせたら泣いても朝まで対応しない「Cry it out(クライイットアウト)」を思い浮かべる人も多いですが、ねんねトレーニングの種類は1つではありません。

ねんねトレーニングの種類

小児の睡眠問題への行動科学的アプローチとしては、以下のようなものがあります。

《消去法》
夜間覚醒の強化因子となっている行動を「消去」する

A:無修正の消去法
翌朝の決めた時間まで一貫して赤ちゃんに対応しない
B:段階的消去法
決めた時間(5~15分)まで泣いたら様子を見に行き、決めた時間(例えば5分)同室に入り、また出るを繰り返す
C:保護者同伴の消去法
赤ちゃんと同室にいるが、赤ちゃんに夜間一切の対応をしない

《入眠儀式》
就寝までの流れを明確にし、子どもに眠る時間を意識づける
(特定の絵本やオモチャにお休みの挨拶をするなど)

《小児の睡眠制限法》
一時的に遅寝・早起きにさせ、寝つく感覚を覚えさせ、その後徐々に就寝時刻を早める

《計画的覚醒》
乳幼児の夜間覚醒時刻を予想し、それより少し前(親が就寝する際)に乳幼児を起こし授乳

《睡眠の予防的親教育》
・昼夜の区別の明確な生活
・夜間対応は静かに速やかに
・夜間覚醒時にすぐにい対応しない
などの親教育を夜間覚醒が増える生後5.6か月以前に行う

(出典:羽山順子ら久留米大学心理学研究室)

書籍などでは、「泣かせないネントレ」「ジーナ式」「ねんねルーティン」「ゆるゆるネントレ」「スピードネントレ」など様々な名称でねんねトレーニング方法を紹介しています。

また月齢では愛着形成や発達の側面から、ねんねトレーニングは「生後6か月以降からが推奨」とされていることが多いです。

ネントレ法の共通点

多くのねんねトレーニング方法の共通点は、

●生活のリズムを整える(睡眠の土台を形成する)
起床時間や就寝時間を固定し、活動時間やお昼寝のタイミングを調整することで朝夜の区別がはっきりし、ホルモン分泌が円滑になることで睡眠(眠気)の安定化を図る

●睡眠環境を整える
寝室の環境を整えることで長時間眠りやすい状況にし、赤ちゃんに安心して眠って大丈夫だよと理解させる
(ここでの環境とは、光(常夜灯や隣室や外からの光漏れ)や音・室温や湿度・寝具やパジャマの状態・親が添い寝するかどうか、夜間授乳はいつまで続けるか等のこと)

●寝かしつけ方法(眠る前の習慣つくり)
寝室に入る前と入ってからの行動をルーティン化し、毎日一貫して行うこと
寝かせるための親の干渉(授乳や抱っこ、トントン等)を最小限にとどめること

ねんねトレーニングの3大要素

どのメソッドも基本事項は似通った部分も多く、

生活リズム・環境・親の対応が「ねんねトレーニング」の3大要素であることがわかりますね。

 

親がどの程度、生活リズムを調整するか=日中の時間管理を行うか(授乳時間や活動、お昼寝の時間やタイミング)がメソッドにより左右される部分が強い印象です。

また赤ちゃんの睡眠にふさわしい環境もある程度は確立されつつありますが、お昼寝の環境等はまだ未解明な部分も多く、夜間授乳をいつまで続けるべきかということも助産師や小児科医でも意見が分かれる部分です。

 

夜泣き相談室の考える「ねんねトレーニング」

夜泣き相談室アプリコットでは、
お子さんの睡眠問題の原因を把握した上で、

生活リズムをお子さんの月齢や体力に合わせ
住環境や家族構成に適した眠りやすい環境と
ママ(パパ)にとって負担の少ない寝かしつけ方法を「新しいねんねの習慣」として取り入れていくことを推奨しています。

上記の『ねんねトレーニングの種類』では、
《消去法》C:保護者同伴の消去法
《入眠儀式》
《睡眠の予防的親教育》
を採用しているということになります。

※夜泣き相談室はNPO赤ちゃんの眠り研究所の乳幼児アドバイザーが個人の活動として運営しています。

ねんねトレーニングはするべき?

「夜泣きは、ねんねトレーニングしないと治らないの?」
という質問をいただくこともあります。

必ずしもねんねトレーニングをしないと夜泣きが改善しない、ということはありません。

ねんねトレーニングが効果的な場合とそうでない場合をみていきましょう。

ねんねトレーニングが必要なケース

主に「入眠時関連型」と「しつけ不足型」での睡眠問題がみられる場合は、ねんねトレーニングを推奨しています。

【入眠時関連型】
寝入る際に不適切な条件(揺り動かす、テレビを見る、車に乗せる、哺乳瓶をくわえさせたままにするなど)が必要なことで、夜間の頻回覚醒がよく見られる。
また、この特定の条件がないと、子どもは適当な時間に寝入ることができず、生理的な夜間覚醒の後にも、再度寝つくのが難しくなる。

【しつけ不足型】
子どもがぐずったり就床を拒んだりするために、睡眠開始が遅れ、その子どもの行動を養育者が管理できないことから生じる。
養育者のしつけに一貫性がないことが間欠的強化となり、その結果なかなか眠らないことになる。

出典:睡眠障害国際分類第2版ー診断とコードの手引きを要約

 

寝かしつけに手間や時間がかかり過ぎる養育者(ママ)が赤ちゃんの泣きに弱く、赤ちゃんのこだわり(ずっと抱っこ、常に母乳を求めるなど)から離れられないことが原因で寝不足が重なり疲労困憊な状態であるならば、ねんねトレーニングを行うことがオススメです。

上記の「しつけ不足」というのは、「しつけが出来ていないダメな子」という意味ではなく、眠る為の適切な学習がまだ理解できていない、ということです。

具体的には、
・授乳=寝かしつけになっていて、他の方法では寝られない
・抱っこで泣かせても背中スイッチが敏感で布団におろすと起きてしまう
・夜中に起きると再度寝かしつけを始めないと寝ない
等のお悩みは、ねんねトレーニングが効果が出やすいケースです。

ねんねトレーニングでは効果が出ないケース

【体調不良が原因の場合】
発熱や鼻づまり、中耳炎など痛みを生じる不調では赤ちゃんも眠ることはできません。
また便秘やお腹にガスが溜まる(おならが出ない)ことも睡眠不足の原因になります。

そして経験的にも多いのが皮膚トラブルです。
湿疹やあせも、オムツかぶれや虫刺され、アトピー性皮膚炎などの「肌の痒み」は、日中は気にする素振りがなくても、夜は副交感神経が優位になることで痒みを強く感じやすくなるようです。

これらの体調不良が原因で眠れない場合は、ねんねトレーニングを行わず、受診するなど体調のケアに専念しましょう。

 

【成長や天候によるもの】
赤ちゃんは毎日驚くべきスピードで成長しています。

生後半年を過ぎるとだんだんと、寝返りやおすわりが上手になったり、つかまり立ちをするようになったりして赤ちゃんの見える世界は日々変化していきます。

「昨日までは見えなかった場所が見える!」「届かなかったオモチャが握れる!」そんな驚きと喜びにあふれた毎日です。

そんな感情や発見を、睡眠中に脳の中で整理しています。
処理しきれなかったり興奮してしまったり、そんな時に覚醒して泣いてしまうこともあり得ます。

また実際にママからいただいたネントレ後日談で、
「ネントレをしてよく眠るようになったのに、夜泣きが突然再開して焦っていたらその二日後に歯が生えてきました。きっと夜に歯茎の中がむずがゆかったんでしょうね。今はまたぐっすり寝てくれています。」

突然の夜泣きには、「あぁ、今は脳やカラダの中が大忙しなのかしら。」と少し余裕をもって受け止められるといいですね。

また台風等の気圧が大きく変化する季節の変わりめに赤ちゃんが突発的に眠りづらくなる…というのも経験的に多いなという印象です。

大人も自分の体調や睡眠を完璧に整え続けるのは難しいものですよね。

敏感な子もいれば、どんな状況でも全く動じずにスヤスヤ眠り続ける子もいます。

ママやパパが「うちの子はこういう眠りのクセがあるね。」と理解しておけると、今後の子育ての大きな助けになりますね。

 

ねんねトレーニングをしようと思ったら

ねんねトレーニングは、親子でぐっすり眠れるようになる練習期間です。

やってみようと思ったら、まずは情報収集と、「今わが子にねんねトレーニングが必要か」どうかをしっかり見極めてからスタートしてくださいね。